施工場所/富山県黒部市
設計/株式会社みかんぐみ
施工/松井建設株式会社
竣工/2019年10月
シングル客室/ツイン客室/バリアフリー客室 全49部屋 造作家具
- シングル用食器棚
- シングル用デスク
- ツイン用・バリアフリー用食器棚付きデスク
- クローゼット
- ベッドヘッドボード
- 姿見鏡
- エレベーターホール/電話台
無垢材と突板で贅沢に仕上げられた、上質で暖かな客室
わたしたちの地元、富山県黒部市の黒部駅前に建つ築30年のホテルの改修工事にあたり、3~5階の全客室の造作家具を製作させていただきました。
建物全体に桜をデザインモチーフとして取り入れ、木材にカバザクラや県産氷見杉を使い、木のぬくもりに囲まれた気品のあるインテリア空間となっています。
客室の造作家具も、国産カバザクラの無垢材と突板をふんだんに用いてつくられており、一般的なビジネスホテルにはない、上質で暖かな空間になっています。
コーナー部分や留め部分、ヘッドボードのポケット部やクローゼットの手掛部など、細部はカバザクラの無垢材で丁寧に作り込まれており、その見た目や質感だけでなく、手で触れて感じる暖かさにも「おもてなしの心」が宿っています。
こちらは改修工事のため、おなじ家具でも各部屋で微妙にサイズが違ったり、左右の勝手が違ったり、設計、実測、製作とどの段階でも細心の注意を払いながらのお仕事になりました。
また、すべてウレタンクリア塗装仕上げのため、養生、ペーパー掛け、そして塗装と、普段は製作をしない社長やわたしも総出で作業したのですが、毎日、玉手箱を空けた後かドリフのコントのように、全身真っ白な粉まみれになっていました。
ペーパー掛けは職人でなくても可能な作業ですが、地味な割に体力は消耗しますし、次々と目の前に“ペーパーを掛けるもの”が積まれていくので、気が遠くなりました。
みんな、社長やわたしへの遠慮は、一切なしです。
家具の台数も多かったので、搬入や取付作業も総出で、思い出深い現場になりました。
設計は、マーチエキュート神田万世橋など多数の受賞作を手掛ける株式会社みかんぐみです。
みかんぐみの共同代表を務める竹内昌義さんは、パッシブハウス・ジャパンの理事もされています。
前沢パッシブハウスやパッシブタウン第3期街区でお仕事させていただいた、キーアーキテクツの森さん、青山さんからご縁をいただき、今回のお仕事につながりました。
若いアメリカ人の設計スタッフさん、女性の設計スタッフさんが本当に気さくで素敵で、わたしたちの事務所で打ち合わせをした際に、一緒にわが家のカレーを食べたり、子どもたちとも遊んでくれたり。
仕事をちょっとだけ超えて、普段の顔で触れ合えた時間というのは、仕事にもよい影響を与えたと思います。
こちらは、みかんぐみHP-Projectにも詳しく紹介されていますので、ご興味のある方はぜひ。