仕上げについて

無垢の家具の醍醐味を生かすという選択

素材選びと同様に、仕上げの塗装も、日々のメンテナンスや扱いやすさ、またその質感などに大きく関わってくる部分になりますので、とても重要です。

cozy.では、オリジナル家具の製作にあたり、木本来の質感や地色をいかして、それぞれの経年変化が楽しめるように、塗装は天然亜麻仁オイルなどを主成分とする植物性のオイルで仕上げることを基本としました。

木には樹脂が含めれるため、絶対に塗装が必要ということはありませんが、見た目を美しく保ち、比較的お手入れも簡単に使用したい場合は、塗装を施すことが必要です。

塗装にもさまざまな方法や塗料があり、それぞれの木のよさを引き出しながら価値を向上させ、好みの質感やライフスタイルに添ったかたちで仕上げることが可能です。

いずれの方法にもメリット、デメリットがあり、一概になにがもっとも優れているとは言えませんが、木の手触りや質感といった触感の部分が、無垢の家具のいちばんの醍醐味だと考え、わたしたちは基本的にオイルフィニッシュを選択しています。

ひとと暮らし、ひとと共に歳を重ねる

オイル塗料は木部の深くまで浸透して内部で樹脂層をつくり、木と一体化して、木の内部から木の表面までを保護します。
木そのものの質感を失うことなく、木の調湿機能を妨げず、木は自然の状態同様に呼吸をします。
つまり家具そのものが快適な状態を保てます。

木の表面に硬い塗膜をつくるウレタン塗装(*1)に比べると、キズや水に弱いというデメリットがありますが、たとえキズや汚れがついても、経年使用の中で自然と馴染み、刻まれた日々の暮らしの記憶が、たくさんの思い出と一緒に味わいとなっていくと思います。

使用する場所や環境、使用状況、メンテナンスの頻度などで、それぞれのご家庭の家具へと育っていくことでしょう。
ひとと暮らし、ひとと同じように歳をとっていく無垢の家具は、年月とともにその表情を変えながら、味わいと艶やかさを帯び、木が持つ本来の美しさが深まっていきます。


(*1)ウレタン塗装・・・ポリウレタン樹脂塗料により、木の表面に硬い塗膜をつくるため、キズや汚れがつきにくく、撥水性も高いので輪ジミがつかず、日々のお手入れもさっと拭くだけなので簡単です。

ただ、直射日光に弱い、木そのものの質感が損なわれるという欠点があり、使っていくうちに味わいが増すということもありません。
ただし、素材や用途、使用場所等によっては、ウレタン塗装が望ましい場合もあり、実際に「木のダストボックス」などで採用しています。