新品の家具も素敵だけど、家族の歴史が刻まれた家具の魅力もある
無垢の家具と暮らす際に、すこし気を配っておくとよいことがあります。
とはいえ、気を遣い過ぎたり、必要以上に高価なものとして扱ったり、けっして神経質になる必要はないと思うのです。
家具は暮らしの道具であり、日用品なので、長く付き合っていくなかでぶつけたり、ひっかけたり、水をこぼしたりすることもあるでしょう。
テーブルであれば、書き物をしたら字の痕が残ることもあります。
そういう日常を積み重ねて、ひとも家具も同じ空間で暮らしていくわけです。
必ずできるキズやくぼみが家具としての味わいを深め、ともに暮らす時間のなかで色も濃くなり艶もでてきます。
新品の家具の表面がすべすべと輝いているのも素敵ですが、家具に家族の歴史が刻まれていく方が、ずっと魅力的だと思うのです。
愛情を持って、ほどほどの手入れをしつつ、いろんな変化をおおらかに楽しみながら、無垢の家具との暮らしを深めていきましょう。
それでも、知っておくとよかったなぁと思うこともあるので、以下の注意点などについて参考にしていただければ幸いです。
木は家具に姿を変えても、生きているから
まず、木は家具に姿を変えても、生きているということです。
充分に適正に乾燥された材であっても、使われる場所の環境によっては、伸び縮みをし(膨張と収縮)、時には反ったり、ひどい時には割れたりすることがあります。
一般に木が「うごく」あるいは「あばれる」などといわれる現象ですが、それは木が呼吸をし、生きている証なので、そのことを理解していただいたうえでのご購入をおすすめします。
例えば、最近増えている蓄熱式暖房を使う部屋などは、非常に乾燥しますので、加湿器のご使用をおすすめします。
よくエアコンの効いた室内も同様のことがいえます。特に吹き出し口近くに家具を置くのはおすすめしません。
高気密高断熱の住宅では収縮の度合いはさらに大きくなります。
また、直射日光は日焼けや反ったり割れたりする原因になりますので、なるべく長時間直接あたらない場所に置くようにされた方がいいです。
濡れ布巾はNG、でも必要以上に神経質になることはない
そして、オイルフィニッシュの家具は輪染みができやすいので、テーブル類にコーヒーカップなどの温かい飲み物の器や、水滴がしたたるような冷たい飲み物のグラスなどを置く際は、できるだけ受け皿やコースターをお使いになり、さらに気になる方は食事の際はランチョンマットを使用されるなどして、天板に直接ものを置くことは避けていただければよいと思います。
個人的には置きっぱなし、こぼしっぱなしでなければ大丈夫だと思います。
必要以上に神経質になることはありません。
日頃のお手入れ方法としては、表面に埃がかぶっているような時は「乾拭き」で大丈夫。
水やお茶をこぼしたときは「乾いた布巾」ですぐに拭き取れば大丈夫。
コーヒーやしょうゆなど色の濃いものをこぼしたときは「固くしぼった布巾」ですばやくきれいに拭き取れば大丈夫。
少々の汚れであれば、「固くしぼった布巾」で拭くようにしてください。
「濡れ布巾」は木の表面がパサつく原因になりますので、やめておきましょう。