“選ぶ”という作業は、案外、無意識になされているように思います。それぞれに様々な趣味嗜好や生活スタイルがあり、自分なりのルールのもと選択の基準を持っているからです。便利で安くてちょっと見映えのいいものはすぐに手に入ります。だからそれを選択する人もたくさんいます。世の中には似たり寄ったりのものがあふれています。またそれを選択する人もたくさんいます。そのことを否定するつもりも、個性だなどと声高にいうつもりもありません。ただ、手間ひまをかけて、自分にとって本当に価値のある、あたりまえだけどありきたりじゃない、そういうものを選ぶことは決してムダではないと思います。ただ単にモノを持つ暮らしから、積極的に取捨選択する暮らしへと時代も変わってきています。今、オーダー家具を選択するあなたは、少し面倒だけど自分にとって価値のあるものをつくろうと、意識的に選ぶことをしているのかもしれません。
デザインの美しい家具はそこにあるだけで存在感を発揮し、部屋のアクセントとなって目を楽しませてくれます。スタイリッシュでデザイン性の高い家具はとても魅力的です。ただ、デザインを重視しすぎるあまり、その家具本来の機能性が損われてはいずれその家具は本来の役割を失います。毎日の生活に心地よくフィットし、目的や用途にピタリと一致するつかい勝手のよさがあってはじめて、その家具のよさは発揮されいかされます。デザインが機能を超えないことはとても大切だと思います。家具はあるべき場所にあるべき形でおさまったとき、自ずとその美しさを感じさせてくれるものです。
オーダー家具はほしいものを、ほしいサイズで、ほしい機能やデザインを追求してつくることができます。それはあなたとの対話から生まれるたったひとつの家具。品質やディテールのよさはもちろん、数値にはあらわせない居心地のよさがあってはじめて家具は長くつかわれていくものです。ピカピカだった家具もやがてキズや汚れをつくることでしょう。そうして家具がやがてその家の風景になる頃、いくつかのエピソードが生まれ、はじめてその家具にオリジナリティが育つのではないかと思います。単に“あなただけの家具”をつくるのではなく、“あなたらしい家具”になるまでつかっていただけるためにも、できるだけシンプルでつかい勝手のいいものをつくりたいそれがわたしたちの考える家具づくりのコンセプトです。 |